似ていることと初対面の好意
実証研究・2013年・Personal Relationships
この研究は何をしたか
187名の大学生が8回のスピードデーティングで約12人と4分ずつ会話した。事前の回答から計算した「実際に似ていること」と、会ったあとに本人が答えた「似ていると感じること」を分けて、好意との関係を見た。
何が分かったか
実際に似ていることは好意を予測しなかった。似ていると感じることは予測した。ただし特定の項目ごとに測った知覚された類似性は、全体的な印象として測ったものより、はるかに弱い予測しかしなかった。
読むときの注意
Joel ら (2017) のサンプルBと同じデータを別の角度から分析したもので、独立した研究ではない。対象は大学生、会話は4分。
この研究が置かれている文脈
「似ている人と合う」という考え方は社会心理学で最も有名な知見のひとつですが、初対面の場面で実際に測ると、効いていたのは一致度そのものではなく、似ていると感じたかどうかのほうでした。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 相性のいい相手は事前に分かるのか 弱い
相手の属性から相性を予測する試みは、うまくいっていない。効いていたのは「その関係をどう感じているか」のほう。
同じ話題で参照している研究
- 理想と実際のズレ(実証研究・2008)
事前に申告した理想は、実際の魅力の判断をほとんど予測しなかった。申告された性差は、実際の選択には現れにくい。 - 関係の質を何が予測するか(機械学習・大規模統合・2020)
もっとも強く効いたのは、相手の属性ではなく、回答者自身がその関係をどう感じているか(コミットメント、感謝、満足)だった。相手側の変数の寄与は小さかった。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 初対面の好意は予測できるか(実証研究(機械学習)・2017)
好意を3つに分けると、本人の分が12〜14%、相手の分が23〜26%、組み合わせ固有の分が31〜36%で、組み合わせ固有の分がいちばん大きかった。機械学習は本人の分を4〜18%、相手の分を7〜27%説明したが、組み合わせ固有の分はどの組み合わせでも予測できなかった。
書誌情報
Tidwell, N. D., Eastwick, P. W., & Finkel, E. J. (2013). Perceived, not actual, similarity predicts initial attraction in a live romantic context: Evidence from the speed-dating paradigm. Personal Relationships, 20(2), 199–215.