失恋への反応と愛着の目盛り
大規模オンライン調査・2003年・PSPB
この研究は何をしたか
5,000人を超えるインターネット回答者に、恋愛関係が終わったときの身体・感情・行動の反応を尋ね、性別・年齢・関与の深さ・愛着の2次元との関連を調べた。
何が分かったか
不安が高いほど相手へのとらわれ・苦痛・関係を取り戻そうとする行動が強かった。回避が高い人は別れの時点で関係への思い入れが低めで(r = −.22)、思い入れなどをそろえると、苦痛や取り戻そうとする反応との関連はほぼゼロだった(本文の表1。要旨は「わずかに少ない」と書く)。ひとりで処理する対処は強かった(β = .20)。友人や家族に話す対処は、不安が高いほど多く(β = .14)、回避が高いほど少なかった(β = −.17)。要旨は「どちらも低い人が友人や家族を支えにする」とまとめているが、本文の表はこの形だった(2026-11-02 訂正)。
読むときの注意
自己報告の横断調査で、因果の向きは分からない。回避が高い人の静かさが「何も感じていない」ことを意味するとは示されていない。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 「不安型」「回避型」は、変えられるのか そこそこ
愛着の目盛りは中程度に安定しているが、固定ではない。関係の経験とともに動く。
同じ話題で参照している研究
- 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。 - 失恋から回復しはじめる時点(日誌法(4週間)・2006)
別れを受け入れていることが、愛着の安定と悲しみの回復の関連を媒介していた。相手への愛情・怒り・とらわれ型の愛着が強いほど、期間内に悲しみから回復する確率は低かった。
書誌情報
Davis, D., Shaver, P. R., & Vernon, M. L. (2003). Physical, emotional, and behavioral reactions to breaking up: The roles of gender, age, emotional involvement, and attachment style. Personality and Social Psychology Bulletin, 29(7), 871–884.