悩み 47

反対されるほど、燃え上がるのか

ロミオとジュリエット効果。名前は有名ですが、いまは支持されていません。

結論から言うと

1972年の調査で、周囲の干渉が強まるほど愛情も強まるという関連が報告され、この名前がつきました。2014年により大きな標本で検証し直したところ、関連は再現されず、むしろ逆向きの結果でした。

恋愛工学の答え

「障害があるほど燃える。反対は追い風。」

障害を利用する運用です。この法則の名前がそのまま根拠として使われてきました。

研究の答え

周囲の反対が愛情を強めるという関連は、再現されていない。

元になったのは1972年の縦断調査です。カップルを数か月追いかけ、親からの干渉を強く感じるようになった人ほど、相手への愛情も強まっていた、という関連が見つかりました。物語にちなんだ名前がつき、広く知られるようになります。

問題は、そのあと検証がほとんど積み上がらないまま、引用だけが増えたことです。

2014年に、同じ尺度を使って396名を追跡する再検証が行われました。結果は、元の関連が再現されないどころか、逆向きでした。干渉が強い人・周囲の承認が低い人ほど、関係の質は低かったのです。

このサイトが「裏づけが弱い」と判定している項目のなかでも、はっきりしているほうです。

出典:Driscoll, Davis & Lipetz (1972)/Sinclair, Hood & Wright (2014)

研究の中身

Sinclair, H. C., Hood, K. B., & Wright, B. L. (2014). Revisiting the Romeo and Juliet effect (Driscoll, Davis, & Lipetz, 1972): Reexamining the links between social network opinions and romantic relationship outcomes. Social Psychology, 45(3), 170–178.
何をしたか
1972年の研究と同じ尺度を使い、396名を3〜4か月追跡して、周囲からの干渉や不承認と関係の質の関連を調べ直した。
何が分かったか
干渉が愛情を強めるという結果は再現されなかった。むしろ干渉が強い人・承認が低い人ほど、関係の質は低かった。
どのくらいの強さか
元の研究より標本が大きく、追試として設計されている。

議論されている点

元の1972年の研究は相関であり、干渉が愛情を強めたとは言えない設計でした。それが名前とともに定着し、検証が積み上がらないまま引用だけが増えたのがこの効果の経緯です。

2014年の再検証で関連が逆向きに出たことで、現在この効果は支持されていないと考えるのが妥当です。有名な法則が、名前だけ残って中身が否定される過程がそのまま見える例になっています。

使っている理論

  • ロミオとジュリエット効果(社会心理学 / 関係と周囲の影響)— 周囲から反対されるほど、二人の愛情はかえって強まる、とされた効果。
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。