弱い紐帯の強さ
理論・実証・1973年・American Journal of Sociology
この研究は何をしたか
人と人のつながりの強さと、情報がどこから届くかの関係を、転職の経路の調査をもとに論じた。
何が分かったか
新しい情報は、親しい相手よりも、たまに会う程度の相手から届くことが多かった。親しい相手同士は同じ情報源を共有しているため。
読むときの注意
扱ったのは転職と情報の伝播であって、恋愛の出会いではない。社会学の理論であり、恋愛への適用は解釈にあたる。
この研究が置かれている文脈
社会学でもっとも引用された論文のひとつです。恋愛の文脈では「出会いは身内より外から来る」という形で使えますが、それはこの論文の主張の応用であって、検証された結論ではありません。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- いい出会いは、どこから来るのか そこそこ
出会いは個人の魅力だけでなく、人間関係の構造と経路の変化に左右される。
関係する理論
- 弱い紐帯の強さ(社会学 / ネットワーク研究)
新しい情報や機会は、親しい相手よりも、たまに会う程度の相手から届きやすい。
同じ話題で参照している研究
- 情動の二要因理論(実験・1962)
同じ興奮でも、それをどう解釈するかで感じる情動が変わる。吊り橋実験はこの理論の応用として設計された。 - 近接性と友人形成(現地調査・1950)
物理的な近さ(同じ階、階段の近く)が、友人関係の形成をよく予測した。 - 名字の五十音順で席が近い人ほど、友人に選ばれていた(現地調査(44人)・1974)
近さが友人の選択に与える効果は、それまでの研究で好意の決め手とされてきた多くの特徴の効果より強かった。 著者は名字の順番を「控えめな」近さの指標だとしている(実際の近さより粗い測り方なので、効果を小さめに見積もる方向)。 - 出会いの経路の変化(全国調査(実データ)・2019)
オンラインで出会う割合が伸び続け、2013年ごろに友人の紹介を上回って最大の経路になった。友人・家族・職場を経由する経路はいずれも減っていた。
書誌情報
Granovetter, M. S. (1973). The strength of weak ties. American Journal of Sociology, 78(6), 1360–1380.