頼み事をされた側が相手を好きになる
実験・1969年・Human Relations
この研究は何をしたか
実験の報酬を受け取った参加者に、実験者本人から返してほしいと頼む条件などを設け、実験者への好意を比べた。
何が分かったか
実験者から直接頼まれて応じた人が、実験者をもっとも好意的に評価した。第三者を介して頼まれた場合、この差は出なかった。
読むときの注意
1969年の単一実験で、標本も大きくない。恋愛場面での追試はほとんど行われていない。
この研究が置かれている文脈
ベンジャミン・フランクリンの逸話に名前を借りて広まりましたが、学術的な裏づけはこの研究がほぼ単独で担っています。認知的不協和の考え方と整合的である点が、支持されている主な理由です。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 頼み事をすると、好かれるのか そこそこ
人に何かをしてあげた側のほうが、相手への好意が上がる場合がある。 - 小さなお願いから始めると、大きな頼みが通るのか そこそこ
先の小さな承諾が、あとの大きな承諾の確率を上げる。ただし効果は小さい。
関係する理論
- ベンジャミン・フランクリン効果(社会心理学 / 認知的一貫性の応用)
人に何かをしてもらった側ではなく、してあげた側のほうが、相手を好きになるという効果。
同じ話題で参照している研究
- 通過儀礼と集団評価(実験・1959)
重い通過儀礼を経た条件の参加者が、同じ討論をもっとも高く評価した。払ったコストに合わせて評価が動く。 - 認知的不協和理論(理論書・1957)
社会心理学の基礎理論のひとつ。恋愛に固有の理論ではなく、態度変容の一般理論。 - フット・イン・ザ・ドア(実験(2研究)・1966)
先に小さな頼みを引き受けた人のほうが、あとの大きな頼みにも応じやすかった。 - フット・イン・ザ・ドアの統合的レビュー(レビュー・統合・1999)
効果は存在するが小さく、条件に強く依存していた。最初の頼みが小さすぎても大きすぎても効かず、複数の異なる過程が絡んでいると結論づけられた。
書誌情報
Jecker, J., & Landy, D. (1969). Liking a person as a function of doing him a favour. Human Relations, 22(4), 371–378.