不確実性低減理論
理論・1975年・Human Communication Research
この研究は何をしたか
初対面のやりとりで人が何をしているのかを、相手についての不確かさを減らす行動として定式化した。
何が分かったか
人は相手の不確かさを減らそうとして質問し、情報を出し、相手の反応を探る。不確かさが下がるほど好意は上がる、と予測された。
読むときの注意
理論の提示であり、この論文自体が実証したものではない。のちに、不確かさが減るほど好意が上がるとは限らないという反例も報告されている。
この研究が置かれている文脈
コミュニケーション学の基礎理論のひとつです。恋愛では「相手を知ろうとする行動」の説明に使えますが、知るほど好意が下がる場合があるという知見と正面からぶつかります。どちらが優勢になるかの条件は分かっていません。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 文字のやりとりだけだと、相手を美化するのか そこそこ
文字だけのやりとりは、相手を好ましく感じさせる。2020年の実験で、無作為に割り当てて確かめられている。
関係する理論
- 不確実性低減理論(コミュニケーション学 / 初期のやりとり)
初対面のやりとりで人がしているのは、相手についての不確かさを減らすこと。不確かさが下がるほど好意は上がると予測される。
同じ話題で参照している研究
- 知るほど冷める(実験・2007)
情報が増えるほど好意度は下がる傾向が見られた。情報が少ないうちは、似ている点を想像で埋めているためと解釈された。 - 文字かビデオ通話か(実験(無作為割り当て)・2020)
文字だけで話した相手のほうが、社会的な魅力を高く感じていた。対面に切り替えたあと、社会的な魅力の差は残ったが、恋愛的な魅力は下がった。 - 会う前のやりとりの量(調査・2015)
やりとりの量と、会ったときの親密さ・落ち着き・打ち解け方との関係は逆U字だった。少なすぎても低く、多すぎても低い。 - 初デートの成否(縦断調査・2017)
やりとりの量が多く、打ち明けた量が多いほど初デートはうまくいっていた。似ていると感じること、相手について分からない部分が減っていることも同じ方向に効いた。「似すぎ」「知りすぎ」の折り返し点は見つからなかった。 - ハイパーパーソナル・モデル(理論・レビュー・1996)
文字だけのやりとりは、対面より親密に感じられることがある。手がかりが少ないぶん相手を理想化しやすく、送る側も見せたい自分を作りやすく、それが往復して強め合うと説明された。
書誌情報
Berger, C. R., & Calabrese, R. J. (1975). Some explorations in initial interaction and beyond: Toward a developmental theory of interpersonal communication. Human Communication Research, 1(2), 99–112.