ハイパーパーソナル・モデル

理論・レビュー・1996年・Communication Research

この研究は何をしたか

文字だけのやりとりが、対面より冷たくなるのか、それとも別の形で親密になるのかを、それまでの研究を整理して論じた。

何が分かったか

文字だけのやりとりは、対面より親密に感じられることがある。手がかりが少ないぶん相手を理想化しやすく、送る側も見せたい自分を作りやすく、それが往復して強め合うと説明された。

読むときの注意

理論的な整理であり、単一の実験で検証されたものではない。またインターネット初期に書かれたもので、現在の通信環境を前提としていない。

この研究が置かれている文脈

マッチングアプリやメッセージのやりとりに、いちばん直接効く枠組みです。会う前に盛り上がって、会うと冷めるという現象を、相手の想像で埋めた部分が埋まる過程として説明できます。曖昧さの魅力とも隣り合っています。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

関係する理論

  • ハイパーパーソナル・モデル(コミュニケーション学 / 媒介コミュニケーション)
    文字だけのやりとりは、対面より親密に感じられることがある。手がかりが少ないぶん相手を理想化しやすいため。

同じ話題で参照している研究

  • 知るほど冷める(実験・2007)
    情報が増えるほど好意度は下がる傾向が見られた。情報が少ないうちは、似ている点を想像で埋めているためと解釈された。
  • 文字かビデオ通話か(実験(無作為割り当て)・2020)
    文字だけで話した相手のほうが、社会的な魅力を高く感じていた。対面に切り替えたあと、社会的な魅力の差は残ったが、恋愛的な魅力は下がった。
  • 会う前のやりとりの量(調査・2015)
    やりとりの量と、会ったときの親密さ・落ち着き・打ち解け方との関係は逆U字だった。少なすぎても低く、多すぎても低い。
  • 初デートの成否(縦断調査・2017)
    やりとりの量が多く、打ち明けた量が多いほど初デートはうまくいっていた。似ていると感じること、相手について分からない部分が減っていることも同じ方向に効いた。「似すぎ」「知りすぎ」の折り返し点は見つからなかった。
  • 不確実性低減理論(理論・1975)
    人は相手の不確かさを減らそうとして質問し、情報を出し、相手の反応を探る。不確かさが下がるほど好意は上がる、と予測された。

書誌情報

Walther, J. B. (1996). Computer-mediated communication: Impersonal, interpersonal, and hyperpersonal interaction. Communication Research, 23(1), 3–43.

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