自分を責めてしまう
あのとき、ああしなければ。
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「恋人がいるのに他の人が気になる。自分は薄情な人間だと思う。」
薄情かどうかの話ではありません。ふだん働いているブレーキが弱まっているだけです。
関係を続ける気持ちが強い人は、他の相手を無意識に低く評価します。他が魅力的に見えるのは、この自動的なブレーキが弱まったサインであって、人格の問題として記述するモデルではありません。満足度か、注いできた時間か、どちらが減ったのかを見る材料になります。
この話のもと
Rusbult の投資モデル/Le & Agnew (2003)
「うまくいかなかったのは、全部わたしのせいだと思う。」
関係の行方を、ひとつの原因で説明する枠組みは、研究では退けられています。
同じ夫婦を長年追いかけた研究をまとめたレビューでは、単一の要因で関係の行方を説明する考え方が退けられました。現在はもともと持ち込む弱さ・降りかかるストレス・二人でどう対処するか、この3つの掛け算で捉えられています。あなた一人の変数ではありません。
この話のもと
脆弱性・ストレス・適応モデル(Karney & Bradbury 系統)
「自分にだけ厳しくしてしまう。」
自分に向ける優しさは、甘えではなく、測定できる要素として研究されています。
つらいときに自分を責めるのではなく、友人にかけるような言葉を自分にかける姿勢は「セルフ・コンパッション」として定義され、測定されています。これが高い人ほど、落ち込みからの立ち直りが早いという関連が報告されています。
相関を含む知見です。「優しくすれば必ず立ち直る」という因果までは示されていません。
この話のもと
Neff (2003)
「楽しかったことより、失敗ばかり思い出す。」
気のせいではありません。悪い出来事は、良い出来事より強く残るようにできています。
悪い出来事は良い出来事より心理的な影響が強く長く残る、という傾向は恋愛に限らず多くの分野で確認されています。あなたの記憶が歪んでいるのではなく、人間の記憶がそういう重みづけをしています。だから良い側は、意識して数で足す必要があります。
この話のもと
Baumeister ら (2001)
「自分は序列の下のほうにいるから、うまくいかない。」
その順位表に、研究の裏づけはありません。
人が惹かれる理由は複数あって、1本の順位にまとめられるという証拠はありません。近くにいること、似ていること、好意を示されたことは、順位と関係なく効きます。順位表は分かりやすいだけで、正しさの証拠ではありません。
この話のもと
対人魅力研究の標準的知見