悩み 46
失恋のつらさは、思っているほど長く続かない
立ち直れる気がしない。その予測自体が、一定の向きに外れることが分かっています。
結論から言うと
人は、悪い出来事のあとつらさが続く期間を、実際より長く見積もります。恋人との破局も研究の対象に含まれています。自分の中で働く立ち直りの仕組みを、予測のときに計算に入れていないためと説明されています。
恋愛工学の答え
「次を作れば忘れる。」
上書きによる回復を前提にした運用です。回復すること自体は同じ結論になります。
研究の答え
悪い出来事の影響が続く期間を、人は一貫して長く見積もる。
人は自分の未来の感情を予測するのが下手です。しかも外れ方の向きが決まっています。
悪い出来事のあと、どれくらいの期間つらいままかを予測させ、実際の回復と突き合わせた研究があります。恋人との破局も対象に含まれていました。結果は一貫して、予測より早く回復していました。
理由として挙げられたのは、自分の中に立ち直りを助ける仕組みがあることを、予測のときに忘れている点です。人は出来事の意味を作り変え、慣れ、別のことに注意を向けます。それを勘定に入れずに予測するので、長すぎる見積もりになります。
つまり「立ち直れる気がしない」という感覚そのものが、予測として当てにならないということです。
出典:Gilbert, Pinel, Wilson, Blumberg & Wheatley (1998)
研究の中身
Gilbert, D. T., Pinel, E. C., Wilson, T. D., Blumberg, S. J., & Wheatley, T. P. (1998). Immune neglect: A source of durability bias in affective forecasting. Journal of Personality and Social Psychology, 75(3), 617–638.
何をしたか
悪い出来事のあと、自分がどれくらいの期間つらいままかを予測させ、実際の回復と突き合わせた。恋人との破局も対象に含まれる。6つの研究から成る。
何が分かったか
つらさが続く期間を、人は一貫して実際より長く見積もっていた。自分の中で働く立ち直りの仕組みを、予測のときに計算に入れていないためと解釈された。
どのくらいの強さか
複数の出来事・複数の設計で同じ向きの結果。以降くり返し再現されている。
議論されている点
平均としての傾向であり、回復の速さには個人差があります。予測が外れる向きが一定である、というのが結果の形です。
また、これは「つらくない」という話ではありません。予測が長すぎるだけで、つらさそのものは実在します。強く続くときは、読み物ではなく人に頼るほうが確実です。
使っている理論
- インパクト・バイアス(社会心理学 / 感情予測研究)— 悪い出来事のあと、自分がどれくらいの期間つらいままかを、人は実際より長く見積もる。