性差の効果量を統合する
メタ統合・2015年・American Psychologist
この研究は何をしたか
性差を扱った多数のメタ分析を、さらに統合して効果量の全体像を出した。
何が分かったか
平均的な性差は小さかった。 項目ごとのばらつきはあるが、全体としては差より共通点のほうが大きい、という結論になった。
読むときの注意
平均が小さいことは、どの項目でも差がないという意味ではない。大きい差が出る項目は存在する。
この研究が置かれている文脈
「男女は根本的に違う」という前提を、効果量の側から点検する材料です。差がないと主張するものではなく、差の大きさが語られ方に見合っていないという指摘になります。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 男女は根本的に違うのか 弱い
平均の差はあるが小さく、国による差のほうが大きい。脳の性差を根拠にした説明は裏づけが弱い。
同じ話題で参照している研究
- 配偶者選好の37文化比較(国際比較調査・1989)
資源や若さに関する選好で、文化を越えて一貫した平均差が見られた。 - 理想と実際のズレ(実証研究・2008)
事前に申告した理想は、実際の魅力の判断をほとんど予測しなかった。申告された性差は、実際の選択には現れにくい。 - 社会的役割理論(理論・レビュー・1999)
多くの性差は、男女が占める社会的役割と、そこで期待される振る舞いから説明できる。役割配置が変われば性差の大きさも変わる。
書誌情報
Zell, E., Krizan, Z., & Teeter, S. R. (2015). Evaluating gender similarities and differences using metasynthesis. American Psychologist, 70(1), 10–20.