反芻と落ち込みの長さ
縦断研究・2000年・Journal of Abnormal Psychology
この研究は何をしたか
同じ悩みを繰り返し考え続ける傾向を測り、その後の落ち込みの経過を追跡した。
何が分かったか
考え続ける傾向が強い人ほど、落ち込みが長引き、程度も重かった。考える量が多いことと、問題が解けることは別だった。
読むときの注意
観察研究であり、反芻が落ち込みを招くのか、落ち込みが反芻を招くのかは、これだけでは分けられない。
この研究が置かれている文脈
「同じことばかり考えてしまう」を、性格ではなく区別されたパターンとして扱う枠組みです。真剣さの度合いの話ではない、という点が要点になります。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 既読無視がつらいのは、なぜか そこそこ
喧嘩の話を文字で送った場面では、期待する返信時間が平均19分から10分に縮み、期待が短いほど・不安が強いほど、来ないときのつらさが強い。 - 元恋人のSNSを見続けると、立ち直れないのか そこそこ
見る頻度が高い人ほど、苦しさ・未練・欲求が強く、成長の実感が低い。会う時間が多い人は2か月後の苦しさが高い。
関係する理論
- 反芻(臨床心理学 / 抑うつ研究)
同じ悩みを繰り返し考え続ける傾向。落ち込みが強まることや、新たな発症を予測する要因として測定されている(長引くかどうかは、最初の症状をそろえると予測しなかった)。
同じ話題で参照している研究
- 拒絶感受性(実験(4研究)・1996)
拒絶感受性が高い人ほど、そっけない対応などの曖昧な行動に意図的な拒絶を読み取った。本人もパートナーも関係に不満を抱えやすい。 - 拒絶感受性メタ分析(メタ分析・2023)
拒絶感受性が高い人ほど、自己評価する魅力度が低く、嫉妬が強く、パートナーからの愛情表現を少なく知覚する傾向があった。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
書誌情報
Nolen-Hoeksema, S. (2000). The role of rumination in depressive disorders and mixed anxiety/depressive symptoms. Journal of Abnormal Psychology, 109(3), 504–511.