続いている関係でも相手の感謝を低く見積もる

調査(2研究・カップル514組)・2022年・Social Psychological and Personality Science

この研究は何をしたか

実在のカップルの両方に、自分が相手にどれくらい感謝しているかと、相手が自分にどれくらい感謝していると思うかを答えてもらった。研究1は205組(平均20.99歳、交際23.13か月)で感謝を感じている度合い、研究2は309組(634人分、平均29.07歳、交際5.57年)で感謝を表している度合い。研究2は3か月後にもう一度測っている。分析はtruth and bias model。

何が分かったか

予想は3つの成分に分かれた。順位の当たり(研究1は0.23、研究2は0.49)、水準の外れ(研究1は−0.29、研究2は−0.19でどちらも下向き)、自分の気持ちからの推測(0.33と0.48)。3か月後も水準の外れは残った(−0.13)。さらに、低く見積もる度合いが大きい人ほど自分の関係満足度が低かった(0.18と0.70)。相手の満足度との結びつきは研究1の「感謝を感じている度合い」でだけ出た(0.08)。

読むときの注意

横断の測定が中心で、時間をずらした分析では何も出なかったため、低く見積もることが満足度を下げるのかどうかは決まらない。測っているのは「感謝」ひとつで、好意全般ではない。対象は若い異性愛のカップルが中心で、著者自身が別の文化・別の関係での確認が要ると書いている。外れを縮める方法は見つけられなかった。「感謝されている感じ」を上げた関係改善プログラムはある(Barton ら 2024、要旨で確認)。

この研究が置かれている文脈

初対面の読み違いと同じ形が、平均5年半続いているカップルでも出ていました。違うのは比率で、よく知っている相手ほど「実際」が読めるようになります。それでも水準のほうは下に外れたままでした。

書誌情報

Tissera, H., Visserman, M. L., Impett, E. A., Muise, A., & Lydon, J. E. (2022). Understanding the links between perceiving gratitude and romantic relationship satisfaction using an accuracy and bias framework. Social Psychological and Personality Science, 14(8), 900–910.

次に読むなら

連絡が途絶えたときに言われる助言を、原典まで遡って全部確かめた記事があります。このサイトと同じ4段階で判定しています。無料部分に、結論の表と、判定の4段階と、探し方の手順を全部出しています。

音信不通のときの助言を、原典まで全部検証した(note)

11月23日20時まで500円(通常2,980円)。

新しい検証は note で出しています。note.com/koinokyori

恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。