3人組でも読み違いは起きる

実験+調査(3研究)・2021年・Organizational Behavior and Human Decision Processes

この研究は何をしたか

159名を3人組に分けて初対面で会話させ(平均34.74分)、全員に「相手2人をどれくらい好ましく思ったか」「相手は自分をどう思ったと思うか」「その2人は互いをどう思っていると思うか」を聞いた(研究1)。大学の工学系チーム140名(研究2)と、3〜5人のチームで働く社会人312名(研究3)にも同じ測定を行った。

何が分かったか

研究1では実際 5.32 に対し予想 4.78(差 0.54、95%CI 0.43〜0.66)。さらに参加者は「相手2人は互いを好きな度合いのほうが高い」と予想していた(差 0.36)。つまり3人全員が自分を最下位だと思っていた。予想は実際の好意との結びつき 0.12 より、自分の好意との結びつき 0.55 のほうが大きかった。差は工学系チーム(0.72/0.41)でも社会人(0.17)でも残り、期間による違いは確認されなかった。実際の好意を統制しても、この予想はチーム内での居場所の感覚(0.49)や助けの求めやすさ(0.36)と結びついていた。

読むときの注意

恋愛関係を扱った研究ではない。研究2・3はチーム全員に聞いていないため、著者自身が「読み違いだと言い切れるのは研究1だけで、2と3では前提にしている」と明記している。「自分が最下位」の予想は工学系チームでは確認されなかった。社会人で有意だったのは同僚に対してだけで、上司・部下では確認されていない。横断の測定なので、どちらが先かは分からない。

この研究が置かれている文脈

「自分だけが輪の外にいる」という感覚は、3人組では全員が同時に持っていました。全員が最下位になることはありません。ただし、著者が示唆した「読み違いが控えを生み、それを相手が証拠と受け取る」という循環は測られていません。推測として書かれています。

書誌情報

Mastroianni, A. M., Cooney, G., Boothby, E. J., & Reece, A. G. (2021). The liking gap in groups and teams. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 162, 109–122.

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