音信不通のつらさを分けたのは、立場だった
事前登録・2標本(299人+296人)・2019年・Collabra: Psychology
この研究は何をしたか
18〜35歳のアメリカ・カナダ在住者のうち、半年以内に自分が望まない形で恋人と別れた人を集めた。振った側・振られた側 × 直接・音信不通 の4グループに分け、1つ目の標本299人で形を見つけ、2つ目の標本296人で事前登録した仮説を確かめている。「音信不通にした側」も集めているのが珍しい。
何が分かったか
事前登録した仮説として確かめられたのは、振られた側は振った側より苦痛が大きいこと(2つ目の標本で ω² = .657、1つ目でも .217)。直接か音信不通かの差は、全体では直接のほうが苦痛が大きかったが(2つ目の標本で ω² = .073、探索的。1つ目で .008)、関係へのコミットメントをそろえると消えた。振られた側どうしでは、1つ目の標本で 2.74 と 2.73 でほぼ同じだった。本文を確認(2026-11-01 に訂正)。
読むときの注意
「直接のほうが成長する」という差も出たが(ω² = .014、探索的)、交際期間と関与の深さを入れると有意でなくなった。苦痛の差も、コミットメントを入れると有意でなくなった。回顧による自己申告で、日本のデータではない。別のチームの実験では、音信不通のほうが長引く・気持ちが残るという結果も出ている(Pancani ら 2022、Telari ら 2025、Szczesniak ら 2025、要旨で確認)。以前このページに「面と向かって振られたほうがつらい」「役割の差は別れ方の差の9倍」と書いていましたが、本文を読み直した結果、言い過ぎでした。
この研究が置かれている文脈
「音信不通された人の割合」として出回る数字は13%から72%まで動きます。Koessler らの予備調査(332人)が72%と高いのは、募集広告に「音信不通という別れ方を調べる研究です」と書いてあったためだと著者自身が述べています。割合の数字は、そのままでは使えません。