拒絶されると、本当に「痛い」のか
脳の話として語られがちな話題です。だからこそ、射程を正確に見ます。
拒絶された場面では、体の痛みに関わるとされる領域と重なる活動が見つかっています。ただし示されたのは活動する場所の重なりであって、体の痛みと同じことが起きていると示されたわけではありません。
恋愛工学の答え
回復を行動で解決する運用です。痛みの仕組みそのものは扱いません。
研究の答え
仲間外れにされる場面を作って脳を調べた研究で、体の痛みに関わるとされる領域と重なる活動が見つかりました。つらさの報告が強い人ほど、その活動も強くなっていました。\n\nのちの研究では、望まない別れを経験して間もない人に元の相手の写真を見せ、熱による痛みを与えたときと比べています。こちらでは、より感覚寄りの領域まで重なっていました。\n\nここまでが結果です。そしてここから先は、この研究が言っていないことになります。\n\n示されたのは活動する場所の重なりです。体の痛みと同じことが起きていると示されたわけではありません。そもそも、ある領域が働いたことから心の状態を逆向きに決めつける読み方には、方法論上の批判があります。多くの領域はさまざまな場面で働くので、活動から気持ちを当てるのは難しいのです。\n\nつまり「拒絶は本当に痛い」という言い方は、研究が言っている範囲より一歩踏み込んでいます。それでも、つらさを大げさだと責める必要がないことは変わりません。
参照している研究
- Eisenberger, N. I., Lieberman, M. D., & Williams, K. D. (2003). Does rejection hurt? An fMRI study of social exclusion. Science, 302(5643), 290–292.
- Kross, E., Berman, M. G., Mischel, W., Smith, E. E., & Wager, T. D. (2011). Social rejection shares somatosensory representations with physical pain. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(15), 6270–6275.
- Poldrack, R. A. (2006). Can cognitive processes be inferred from neuroimaging data? Trends in Cognitive Sciences, 10(2), 59–63.